ビットコインはもっとも有名な仮想通貨です。分散型台帳やブロックチェーンシステムなどビットコインから生まれたネットワークシステムは、世界中で開発・採用されています。
また仮想通貨市場においての基軸通貨であり、ビットコインの値動きによって市場全体の価値が左右されることも少なくありません。そして、9月8日(土)に行われる大型アップデートによって、ビットコインの機能性が大きく変化すると見られています。
今回はビットコイン・コアのアップデートについて触れていきましょう。
ビットコイン・コアの大型アップデートについてのまとめ
アップデートの内容でポイントは主に3つあります。
- ・新しい開発言語
- ・PSBTシステムの採用
- ・Coin Selection
新しい開発言語の追加
SegWitなどビットコインの開発に大きく関わってきた開発者のPieter Wuille氏によると、新言語の追加によってウォレットのセキュリティーを上げると同時に、ビットコインのウォレットを目的別に分けることが可能(取引所で送金時にラベルを付けるような仕様)となります。そのため、ウォレットごとにアカウントを取得する必要がなくなり、ビットコインの使い勝手は大幅に向上することになると言えます。
PSBTシステムの採用
次に、Partially Signed Bitcoin Transactions(PSBT)と呼ばれるシステムの採用があります。
PSBTはPartially Signed Bitcoin Transactionsの略で、日本語訳をすると"部分的に署名されたビットコインのトランザクション"となります。
簡単に言えば、ビットコインの取引をオフラインで行うことを可能とするシステムです。つまり、ビットコインの取引においては、必ずしもオンライン環境が必要ではなくなった上で、ブロックチェーンの負荷も軽減されることになります。
また、PSBTではビットコインコアがより容易にハードウェアウォレットのサポートを行えるようにし、それらの設定もより使いやすいものに向上させることを目指しています。従来のハードウェアウォレットは、オフライン環境であるためにセキュリティー性は高くても利便性に欠けていました。しかし、 PSBTではオフラインで取引可能であるため、既存のハードウェアウォレットの持つデメリットを解消することができます。
Coin Selection
Coin Selectionは、ビットコインのスケーラビリティ問題に対処するための新しいシステムです。それと同時に、手数料の削減にも繋がるそうです。アップデートにより提供されるデータ処理能力次第では、ビットコインの代わりとして期待されているビットコインキャッシュの価格に大きく影響を与えると予想できます。
また、ビットコインのスケーラビリティ問題が解決され、著しく通貨としての性能が向上する場合には、仮想通貨市場全体が大きく盛り上がる可能性があります。そのため、今回のビットコインのアップデートでは、Segwitの時のようにビットコインの価格変動に影響を与える可能性が非常に高く、その実用性の変化にも要注目だと言えるでしょう。