10月15日の午後3時前、突如ビットコインが急騰しました。
◇ビットコイン4時間足チャート
出所:GMOコイン
これは海外取引所ならたいてい取り扱いがある、テザー(USDT)という米ドル(USD)ペッグコインがあるのですが、このペッグ制が外れたことが要因でした。
長らく、USDTはUSDの代替え通貨として仮想通貨業界で役割を担っていたため、その信用力が揺らいだかたちとなりました。
世界のレバレッジ市場で最も取引が多いのは、もちろん「BTC/USDT」です。
ビットコインと法定通貨の取引高が最も多いのは日本円(JPY)だと一般世間では言われておりますが、実際にはBTC/USDTという通貨ペアの存在のおかげです。
つまりJPYはBTCに対して取引量が多いとされているというのは、実は間違いであり日本人もレバレッジを掛けてBTC/USDTの取引を行っているのです。そのため、USDTはレバレッジ取引において圧倒的にその存在が大きいわけです。
1USD=1USDTが崩壊
長らく仮想通貨市場では米ドルの変わりとして役割を果たしていた『USDT』なのですが、その長年1USD≒1USDTだったものが、今週、1USD=0.85USDTまで急落しました。
◇USD/USDT 15分足チャート
出所:Cryotwatch
特に海外取引所でビットコインのショートポジションが一気にロスカットを食らった模様です。
円建てにて説明すると、海外取引所のBTCの高値は70万円→80万円超えとなりました。
日本国内では75万円程度までしか上昇しなかったのですが、1USDTが1USDに対して10%以上下落したため、国内と海外取引所ではここまで乖離が起こったのでしょう。
初めてUSDTの価値の低下により引き起こされた騒動です。
市場に動揺が走りましたが、逆に逃避先がビットコインとなったため、仮想通貨市場全体が上昇したのです。
◇ビットコイン日足チャート分析
出所:GMOコイン
こういったことが原因となり、また69万円前後でサポートされました。
今年は65〜69万円のサポートゾーンがいくつもできており、まさに神業としか言えないほどのサポート具合です。
どうしても下抜けしない・・・・。
FX市場では滅多にみられない値動きが、ビットコインではこの半年以上も続いております。
非常に興味深い値動きです。割れそうになると、こういったファンダメンタルズがサポートされることも多く、ビットコインが上へ向かうべきと導かれているようにさえ感じます。ビットコインには、アルトコインにはない不思議な力を感じざるを得ません。
さて妄想はここまでにしておいて、日足チャートをみてみましょう。サポートラインで反発した対USDTのレバレッジ取引のショート勢が怯んでいるため、この先大きく上昇する可能性が出てきました。
直近では信用力が揺らいでいるUSDTですから、BTC/USDTでは売り建てをやりづらい状況です。
USDTの価値が下がるなら、BTC建てでロングポジションをつくるトレーダーが増えるのではないでしょうか?
ちなみにテザーの時価総額は約2700億円にのぼります。
これらの資産の何割かがダイレクトにビットコインに向かう可能性があり、これが仮想通貨市場全体を押し上げる要因となりそうです。
これが起爆剤となり、市場が活気づくかどうか今月は注目となります。
※本記事の意見や予測は、筆者の個人的な見解であり、金融商品の売買を推奨を行うものではありません。
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