11月20日午後5時過ぎ、ビットコインは50万円を割り込みました。
2017年10月8日以来の安値を記録したことになります。
◇主要仮想通貨のチャート一覧
ビットコインは先週から1週間で20万円以上下落し、仮想通貨市場全体の時価総額は先週23兆円ありましたが、16兆円程度まで減少。わずか1週間で7兆円が吹き飛んだことになります。
・仮想通貨市場の時価総額の推移
出所:coinmarketcap
19日にイーサリアムのジェネシスアドレスを含む複数のアドレスから一つのアドレスに約79億円のイーサリアムが送金されたというようなこともあり、早い段階で仮想通貨へ投資を始めた人の売却も加速しているようです。
暴落の背景と原因
今回の仮想通貨市場の暴落の背景には、ビットコインキャッシュのハードフォークに絡むハッシュ戦争があると考えられます。
ビットコインキャッシュのハードフォークを前に、投資家心理が冷え込み価格が下落。そのタイミングで2018年の安値であり、ビットコインの底値として意識されていた65万円を割り込んだことで下落に拍車がかかりました。
さらにハードフォークのタイミングでビットコインのマイニングのハッシュパワーをビットコインキャッシュに振り分けるマイナーが多数出現。
ビットコインSVを主導するクレイグ・ライト氏は「ビットコインキャッシュの価格を下げてやる」といったクレイジーな発言を行いました。そして、ビットコインSV側のマイナーであるSharkPoolは「ビットコインキャッシュの採掘の際にデータが入っていない空ブロックを生成し得られたBCHを即座に売却することでダメージを与える」とツイッターで発表。
たいしてビットコインキャッシュを支持するマイナーであるBITMAINのCEOであるジハン氏は、「ハードフォークの際に得られたビットコインSVを売ろうか迷っている」とツイッターで発言しさらに価格下落につながりました。なお、BITMAINの保有するビットコインSVは市場全体の6%程度だとみられています。
BITMAINのジハン・ウー氏:Future of Money~マネーの未来を探る~にて
仮想通貨市場はマイナーやコミュニティーの混乱を嫌いますが、時価総額が大きなビットコインキャッシュの争いが起こり、大口マイナーが保有する仮想通貨を売るという分かりやすい材料が急落の背景にあると言えそうです。
なお、当サイトのコラムニストであるひろぴー氏によると「 次のサポートラインは30〜33万円付近 」ということで、まだまだ予断を許さぬ状況が続きそうです。
参考:ビットコイン50万円割れ!マイニング収益も採算ライン割れか
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