先週から週明けにかけても仮想通貨(暗号資産)市場は強い動きが継続。時価総額は、4、5月の水準である230兆円を回復しました。
ビットコインは、高値からの半値戻しである510-520万円を突破すると、記事執筆時点で547万円まで上値を伸ばしています。7月18日から5週連続陽線となり、週足では今年最大の連続陽線を記録しました。
この背景には、コインベースが仮想通貨を購入することが決まったことや、ペイパルが英国居住者向けに仮想通貨取引を提供することが発表されたことなどがあります。
しかし相変わらず売買代金は閑散としており、1日の平均売買代金は10兆~13兆円程度。バイナンスが欧州諸国で取引規制を行った影響が出ているのかもしれません。
相場は盛り上がっているのですが、Googleトレンドを見ると、普段投資を行っていない人の興味関心はまだ高まっていないようです。
出所:CMC
コインベースがビットコインを購入
8月19日の午後9時頃、米国の大手仮想通貨交換業者であるコインベース(Coinbase)のCEOブライアン・アームストロング氏が、同社取締役会において約5億ドル(約550億円)規模の仮想通貨の購入が承認されたことをにツイッターで明かしました。(※埋め込みのツイッターはCoinbase Japanの翻訳)
コインベースは上場後約4400億円(40億ドル)ほどの現金および現金同等物を保有しており、そのうちの10%以上を仮想通貨にアセットチェンジすることになります。
▼コインベースが投資予定の仮想通貨
- ビットコイン
- イーサリアム
- PoSトークン
- DeFi(分散型金融)トークン
さらに同社は、今後四半期ごとの純利益の10%を、様々な仮想通貨の投資に割り当てていくとしています。
同社の2021年1~3月期は、純利益が7億7146万ドル(約840億円)、4-6月期は16億600万ドルとなっています。平均して、11億ドル程度ですので、あくまで単純計算で年間44億ドルの純利益が予想されます。つまり、仮想通貨市場に毎年4億4000万ドル規模の新たな買い手が現れたことになります。
ペイパルが英国居住者向けに仮想通貨取引を提供
8月23日に、ペイパルは英国の居住者向けに仮想通貨(ビットコインとイーサ、ライトコイン、ビットコインキャッシュ)の取引が利用できるようになったと発表しました。同社が仮想通貨取引の国を拡大するのは、2020年11月に米国で開始して以来初めてとなります。
英国はペイパルの普及率が最も高く、月間アクティブユーザー数は200万人を超えているようですので、仮想通貨の投資家層拡大が期待できます。ただ、英ポンドの仮想通貨取引全体の売買高シェアは0.4%程度と小さく、大きな上昇につながるとは考えない方が良さそうです。
ちなみに、エルサルバドルでは未上場の決済企業大手ストライプがインフラを担っているようです。
好材料が続く仮想通貨市場ですが、売買代金やSNSの盛り上がりは昨年10月と同じレベルです。つまり、まだまだ買い手の余力があると考えられます。
調整の下落が入っても良いレベルではありますが、この後に、ビットコインETFの承認の可能性などが見えてくると、年初来高値を越えてくる可能性は十分ありそうです。
今週は、売買代金やSNSが盛り上がるかどうかに注目ですね。