負債総額3000億ドル(33兆円)を抱える中国不動産最大手、恒大集団のデフォルト懸念により、株式市場をはじめとして、金融市場全体が揺れています。
仮想通貨(暗号資産)相場も大きな影響を受けており、週末には536万円だったビットコインが一時440万円台にまで下落するなど、15%以上も急落。時価総額は10兆円以上も減少しました。
イーサリアムも8月6日となる1カ月半ぶりの安値を付けるなど、弱い動きとなっています。
恒大集団の状況
9月23日に迫るの利払いは絶望的のようですが、30日間の猶予がある理財商品もあり、まだ少し時間的余裕がある模様です。
・負債総額3000億ドル(33兆円)
・9月23日(木)約130億円の社債利払い
・年内の利払い額は約755億円規模
・中国恒大の理財商品残高は推定60億ドル(約6600億円)
・2021年6月末資産は3557億ドル
・従業員数は12万3000人
なお、米国の破綻トップ3と破綻時の資産額と社員数は次の通りです。
1.リーマン・ブラザーズ 6911億ドル 2.62万人(2008年9月)
2. ワシントン・ミューチュアル 3279億ドル 4.94万人(2008年9月)
3.ワールドコム 1039億ドル 3万人(2002年7月)
そもそも、9月は統計的に株式相場が下がりやすい月です。
特に、9月のFOMCではテーパリング開始時期が明示される可能性が高く、投資家がポジションを縮小するなどの動きも十分考えられました。
期間:1985年~2000年
恒大集団の問題も、8月ごろから話題になっており、先週には今週の利払いは絶望的だと報道されていました。それが、週末になり突然「中国版リーマン・ショック」などと騒がれ始めました。
この時間差に違和感がありますが、現段階での影響は、レバレッジが掛かっていないため限定的だという声もあります。
仮想通貨の好材料と悪材料
仮想通貨の材料も整理しておきましょう。
・ペイパルが英国で仮想通貨売買サービスを開始
・米バックト(Bakkt)がNY証券取引所へSPAC上場
・エルサルバドルが150BTCを購入
ペイパルの報道は、毎回仮想通貨相場を押し上げてきましたが、今回は恒大集団による悪材料に押されることとなりました。ビットコイン先物を取り扱うBakktの上場はサプライズのため、日程が決まったら押さえておく必要がありそうです。
韓国の交換業者が24日にもサービス停止の恐れ
韓国にある70近い交換業者が9月24日にも取引サービスの一部、あるいはすべてを停止する恐れがあるようです。
韓国金融サービス委員会は、4月にアンチマネーロンダリング対策として、韓国金融情報分析院(KFIU)に登録しなければならないと発表しています。その登録手続きの期限が9月24日に迫るものの、今のところ 登録を完了しているのは、4つの交換業者しかありません。
【韓国金融情報分析院に登録されている交換業者】
- アップビット(Upbit)
- ビッサム(Bithumb)
- コインワン(Coinone)
- コルビット(Korbit)
28の交換業者は24日以降も運営可能で、大手の2社(アップビットとビッサム)が登録されています。
しかし、韓国は仮想通貨の取引が盛んな国上位5に位置しており、取引量の3%程度が韓国ウォン建てとなっています。
24日には、未登録の交換業者からの一斉決済の可能性などを加味しておく必要がありそうです。