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~ビットコインが株式と同居し始める日~暗号資産マーケットウォッチ・Weekly(11/13号)

筆者: 鳳ナオミ

<解説及び着目点>

11月第2週の暗号資産売買マーケットは、ビットコイン(ティッカー:BTC)VS アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)の構図の観点では、20日ぶりに史上最高値を更新したBTCに軍配があがりました。
アルトコイン主力のイーサリアム(同:ETH)も高値を追いましたが、他のアルトコインへの波及は限定的で、市場全体を盛り上げたのはBTCと言えるでしょう。今回の上昇で暗号資産全体の時価総額は3兆㌦を突破しました。

最近の暗号資産に関するニュースは、CBDC(中央銀行デジタル通貨)、ETF申請(上場投資信託)のみならず、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)、テスラなど巨大事業会社の暗号資産へのスタンスや保有状況、並びに米国経済指標発表等の暗号資産マーケットに対する影響などを指摘するものが多くなっています。
10日に発表された米国消費者物価指数(CPI)の事前予想を大きく超える内容には、株式、債券市場に動揺を与えただけでなく、暗号資産マーケットにも大きく影響を与えています。

CPIは「暗号資産の11月の注目タイムテーブル」(https://www.jdr-pro.com/article/page/134)でも注目イベントとして取り上げていますが、テーパリング議論の発端となった指標として、株式、債券市場では目の離せない経済指標です。

▼「米インフレ率、金利で動く仮想通貨


もはや、暗号資産は株式などの伝統的マーケットと対比せざるを得ないアセットとなっていると言えるでしょう。実際、米最大手暗号資産取引所のコインベースは自社のプラットフォームでETF(上場投資信託)に対応することを検討するとも報じられています。これが実現すれば、取引所における取り扱いアセットの融合の第一歩になるはずです。


株式では、古風なテクニカル分析のひとつで「逆ウォッチ曲線」があります。これは、売買高(売買代金)と価格の関係を示す一つの考え方ですが、

①売買高の増加→②価格の上昇、③売買高のピークアウト→④価格のピークアウト→⑤売買高の減少→⑥価格の下落→①売買高の増加

半時計周りに推移する、という至って単純なサイクルを示すものです。(下図参照)

これは、数か月のスパンで運用を考える投資家には有用で、伝統的マーケットとの対比という意味では、こうした単純な分析手法を暗号資産マーケットでも使える局面がくる可能性を考えておきましょう。


実際のドージコイン(同:DOGE)の事例を見てみましょう(下図チャート参照)。現在、売りゾーンから様子見ゾーンへ綺麗にシフトしていることがわかります。BTCETHではどうでしょうか。

この続き、及び11月3週(11/13~)の注目ポイントをご覧になりたい方は ドージ、イーサ、ビットコインの逆ウォッチ分析 からご覧いただけます。

それでは、暗号資産マーケットに関連する主要な出来事及び相場回顧、翌週の注目点をピックアップしていきます。
(対象期間:前週金曜午後~金曜日午前)

<主な出来事、要人発言、事業会社発表など>

11月6日(土)~11月8日(月)

👉米議会、暗号資産セクター課税を含むインフラ法案可決

👉ブラジル、労働者賃金をBTCで支払う法案が提出

👉米タンパ市長、フロリダ市長やNY市長に続き、給与をBTCで受け取ると表明

👉カザフスタン、個人投資家の暗号資産投資に上限設定

👉ネム(XEM)とシンボル(XYM)、「ハーロック」と「キプロス」と呼ばれるハードフォーク実施発表

11月9日(火)

👉BTCの時価総額、テスラとフェイスブック(現: メタ・プラットフォームズ)抜く

👉暗号資産レンディングのブロックファイ、BTC「現物」ETFを申請

👉米ロビンフッド、顧客データ流出

👉SBIリップルアジア、タイ大手銀行のアユタヤと提携

👉ジンバブエ政府、BTCの法定通貨化を検討

11月10日(水)

👉米アップルCEO、ビットコインを財務資産として保有しない方針も、個人では所有

👉リップル社、企業向けに暗号資産新サービスをローンチ

👉2025年に900兆円といわれるデジタル証券市場を巡りデジタル証取連合、東海東京証券が構築へ

👉米コインベース、自社プラットフォームでETF対応を検討

👉OKコインジャパン、エンジンコイン(ENJ)上場を発表

👉スイス中銀理事、技術的には2022年1月のCBDCローンチが可能と発言

11月11日(木)

👉中国恒大社債保有者に対する猶予期間終了日の利払い有無、報道が交錯、デフォルトとの報も

👉米10月CPI(消費者物価)、+6.2%と市場予想(+5.8%)を大きく上回り、31年ぶりの伸び率

👉米コインベース、第三四半期決算は前四半期に比べ売上4割減

👉フランス中銀、デジタル通貨「CBDC」の実験結果を報告

👉ジンバブエ、BTCの法定通貨採用検討の報道を公に否定

11月12日(金)

👉世界最大手暗号資産取引所バイナンス、本社をフランスに設立の方向

👉ビットワイズ・アセット・マネジメント、コスト高を理由にBTC先物ETF申請を取り下げる一方、 BTC現物追跡型ETFの承認に強気

👉プロシェアーズのBTC先物ETF、出来高で全ETFの上位2%に位置

👉ポルカドット、パラチェーンオークション開催

👉中国小売大手のJD、「独身の日」でデジタル人民元決済に対応

👉オーエムジーネットワークトークン(ティッカー:OMG)のエアドロップ実行、スナップショットにより保有者向けにボバ(同:BOBA)配布


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※本資料は、暗号資産の参考となる情報提供のみを目的としたものです。投資に関してはご自身の判断でなさいますようにお願い申し上げます。本資料は、筆者が各種メディア報道、事業会社アナウンス、要人発言などより抜粋し、作成しておりますが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
また、本資料に記載された意見や見通し等は、今後、予告なしに変更されることがあります。

鳳ナオミ

鳳ナオミ

大手証券アナリストとして10年以上経験後、リスクモデルを駆使する絶対収益追求型運用(プロップ)に従事、ボトムアップとトップダウンアプローチを得意とし年平均+15%以上のリターンを実現。その後オルタナティブ投資、ファンド組成、企業再生に取り組むなど多岐に渡る金融経験を持ち、現在はクリプトの世界に。日本初のデジタルマネー格付け及びインデックスを提供する「JDRpro.」の運用責任者も務める。

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