週明けの仮想通貨(暗号資産)相場は大きく上昇しています。
週末に、ロシアの一部の銀行にSWIFTからの排除が行われることが発表されました。しかしながら、株式市場をはじめとする金融市場の反応は限定的でした。ロシアとウクライナの協議が開始されたことが好感され、市場を支えたこともありそうです。
ロシアのウクライナ侵攻による乱高下がやや落ち着きつつある中、ビットコインをはじめとする仮想通貨は大きく上昇しました。
この背景には、SWFTからの排除を受けてルーブルの価値が30%ほど急落したことが影響していると考えられます。
どういうことかというと、ルーブルの価値が下落するなか、ロシア国民は資産を守ろうとすることが考えられます。例えば、ルーブルから金(ゴールド)を始めとした価値を保存できる資産を買う動きが起こっていることが考えられるでしょう。価値の保存先の選択肢のひとつとして、仮想通貨も考えられているため、その思惑から相場が上昇していると見る向きもあります。ビットコインが、ロシアルーブルからの避難先となっているワケです。
テレビでは、ロシアの至る所でATMに行列ができ、全額引き出すことができない状態が伝わっています。ある国や地域に有事が起きて、ATMに行列ができる時に仮想通貨が買われることは、過去にも起きた事象です。2013年のキプロス危機や、2018年に発生したトルコリラ暴落などが代表的でしょうか。特に今回はSWIFTからの排除が行われているため、企業の国際送金での利用も考えられます。
ロシアは、2月に突然仮想通貨の合法化に向けて動きましたが、もしかしたらこの動きを見据えたものだったのかもしれません。
仮想通貨事情に詳しいサニー・ワン(Sonny Wang)氏は、ロシアがOTC市場で仮想通貨を買っている動きがあるとツイートしています。
通貨別の取引状況が分かるcoinhillsを見ると、ロシアルーブル建ての取引は、20億円に満たないほどです。
出所:coinhills
そもそも、ロシア国内で取引が合法化されていないため、どのような経路での取引がされているか不明です。しかしながら、目先はロシアルーブルと仮想通貨の逆相関関係が考えられ、相場に与える影響は大きいでしょう。併せて、テザーの取引動向は見逃せません。