5月のゴールデンウイーク明けからビットコインは下落に転じ、今では70万円台前半を推移しています。
1年前は20万円台であったことを考えると3倍ほどに上昇していますが、ここ最近の値動きを見ていると低迷していると言わざるを得ません。
考えられる要因としては、様々あり理由を上げるとキリがありません。
- ・マウントゴックスの債務返済に絡むBTC&BCHの売り
- ・ハッキングリスク
- ・6月15日からの広告の禁止etc...
しかし、一方で上昇要因もあります。
- ・大手取引所であるHuobiの世界展開
- ・SECによるBTCとETHの有価証券の否定
- ・NY金融サービス局が4つのアルトコイン取引を承認
- ・SBIバーチャルカレンシーズのサービス開始
- ・コインチェックのサービス全面再開への思惑
こちらも数を上げるとキリがありません。
しかし、最終的に買い需要が売り需要を下回っているので価格が下落しているのです。
これを紐解いてみましょう。
仮想通貨市場から投資マネーはどこへ行った？
さて、２月以降にビットコインの平均価格が100万円を継続的に下回るようになってから約5ヶ月です。やはり100万円以下では低迷しているという印象を受けますよね。
では、まずは最近の取引高の推移を見ていきましょう。
単位はBTCではなく投資資金を考えて日本円換算です。
◇国内取引所(JPY/BTC)の総月間出来高(日本円換算、単位:億円)
出所：Bitcoin日本語情報サイト
こちらはFXなどの差金決済を含む売買代金ですが。ご覧の通り2017年12月をピークに半減してきています。
現物のみに絞るとはもっと悲惨です。
◇日本の月間取引高(日本円換算、単位:億円)
半減どころではなくピークから4分の1となってしまっています。
これをみると、明らかに仮想通貨市場から資金が流出していると考えざるを得ません。
では、資金はどこへ流れて行ったのでしょうか。
筆者のまわりの株式投資家やFXトレーダーの動向を見ていると、彼らは既存の商品の取引に回帰。仮想通貨家さんは多額の納税を支払い、仮想通貨市場で戦っているという状況です。
この動きをみると、恐らく欧米でも同じ現象が起きているのではないでしょうか。
貿易戦争の不安はあるにせよ、株価は安定しており、米ドルは強い値動きが続いています。
ビットコインに投資するよりも株や米ドルを買った方がパフォーマンスは良くなります。
◇ビットコイン/円（BTC/JPY）日足チャート
出所：bitFlyer
◇日経平均日足チャート
◇米ドル/円日足チャート
出所：みんかぶFX
日経平均、ビットコイン/円、米ドル/円のチャートを見ると、ビットコインのパフォーマンスが一番劣っていることが一目瞭然です。
仮想通貨市場は昨年の12月～1月にかけて様々な投資家層が流入し、ここで市場のバランスが大きく変わりました。2017年のように一部の仮想通貨に興味があった人たちだけの市場ではなくなったのです。仮想通貨市場単体で分析をしても、今後の見通しをたてることは難しいでしょう。
では、今後は何が起きれば株式、為替市場からの資金流入が発生し仮想通貨市場は好転するのでしょうか。
国内に目を向けると、世界的に話題になったcoincheck社の本サービスの開始。もうひとつは、北尾氏が日本一の仮想通貨取引所をつくると豪語しているSBIヴァーチャル・カレンシーズの本格サ―ビスの開始。
グローバルでは、7月のG20で仮想通貨規制が具体的にまとまり発表されること。
また、7/11に開催される歴史上最大の仮想通貨イベントといわれる「Blockchain World Conference」にも注目です。
さて、本日は残念なことに国内の取引所の多くに行政処分が下りました。
参考記事：国内大手ビットフライヤー、金融庁処分を受け新規顧客受け入れ停止へ
海外の投資家から見てもインパクトは巨大。格好の売り材料となったようです。6/19(水)に先んじて日経にリーク記事（金融庁が仮想通貨交換業5社以上に新たに業務改善命令）があったり、ビッサムのハッキング問題があったした際にもビットコインは値を持ち直しましたが、本日ここまで大きく売られてしまい今後の展開に暗雲が立ち込めてきました。
市場の健全化を優先するとともに、上に書いたような明るいニュースが出てくることを期待したいですね！
