リップル(XRP)は9月に高騰を記録し、時価総額で格上のビットコインキャッシュを抜き去って以降、仮想通貨市場で強い存在感を示しています。
そして11月に入り、再びXRPの高騰がありました。
11月3日の段階では1XRP50円前後だったものが11月6日には一時60円台に。現在は60円前後を推移しています。
◇リップル/円(XRP/JPY) 1時間足チャート
さて、なぜリップルは高騰したのでしょうか?
考えられる要因をいくつか挙げていきます。
リップル(XRP)の高騰要因
XRPの高騰背景として以下の理由などが考えられます。
- ・リップルネットの提携スピードが加速し数カ月で倍になった
- ・SECとRipple社の有価証券問題に解決の見通しが立った
- ・審査機関の格付けが変化した
- ・主要プロジェクトの一つであるXRapidが本格的に始動
リップルネットの提携スピードが加速し数ヵ月で倍になった
はじめに、リップルネットに関してです。
リップルネットの提携先は9月時点で100社前後でしたが、11月時点では200社に達しています。
これは開発元である米Ripple社が、精力的な活動を行ってきた成果ではないでしょうか。
またリップルネットだけでなく、XRapidの始動や貧困層へ向けたプラットフォーム開発など新しいプロジェクトを発表したことも投資家の買い意欲を誘ったのかもしれません。
・SECとRipple社の有価証券問題に解決の見通しが立った
次にSECの件です。有価証券問題は以前から議論されてきましたが先日、SECの企業金融部長であるWilliam Hinman氏から「何が有価証券に該当するのか」を具体的にガイダンスする方針が発表されました。
これはリップルのみではなく、全ての仮想通貨を対象とした有価証券該当のルールが策定されることにつながります。
今回具体的なルールが示されたことにより、投資家の間で安堵感が生まれたものと考えられます。
審査機関の格付けが変化した
・審査機関の概要と重要性
まず審査機関について簡単に説明しておきます。
審査機関は簡潔に言えば、仮想通貨の能力やメリット、デメリットなどを総合な数値で評価するものです。つまり、投資家やユーザーだけでなく一般的にも審査機関の評価は、重要な目安と言えるでしょう。
例として、仮想通貨の評価を行っている審査機関の中でもWeiss Ratingsは特に古い歴史を誇り、企業から報酬を受け取っていないことから、信頼性と独立性を担保しています。
Weiss Ratingsは、1971年の創業から現在まで株式、ETF、保険などの金融商品をリスク指数や収益指数などの観点で評価しており、金融商品の投資目安として基準とされることがあるほど重要な指標となっています。
例えば、金融機関の評価ではAを最高の評価としてJPモルガンがB+、バンクオブアメリカがBとなっており、B以上は投資の検討要素として考えられます。
・リップルの評価は仮想通貨のなかで最も高いB
仮想通貨に関してもメリット・デメリットを端的に評価したうえで、リップルは仮想通貨の中で最も高いB評価を受けています。
2018年1月の段階ではC、前回がB-だったことを考えると一段階評価が上がっており、EOSなどは逆に評価が下がっている状況です。
・なぜリップルの評価が向上したのか
審査機関の格付けが変わった理由として、リップルが韓国のGDACや多くの仮想通貨取引所に上場し、リップル基軸の仮想通貨取引所が設立されたこと、ビル&メリンダ・ゲイ財団と貧困層に向けたプラットフォームの開発プロジェクトなどの始動が挙げられます。
特に、リップルネットの提携拡大とXRapidが本格的に始動し、MercuryFXなどの大手送金サービス会社などで実際に使用されるまでに至ったのはリップル社の積極的なアプローチのたまものです。
以上のことから、今回の高騰につながったのではないでしょうか。
リップルに関する好材料は尽きません。直近では、OKExで信用取引の追加ペアとしてXRP/BTCの取り扱いが始まるなど、投資家の目を引く材料はまだまだ存在しています。
今後も様々な材料を考慮しながら、動きを見定めていくことが重要です。
Twitter:千歳悠@ライター@chitose_haruka
※本記事の意見や予測は、筆者の個人的な見解であり、金融商品の売買を推奨を行うものではありません。
投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。