日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)は、金融庁の認可を得た仮想通貨交換事業者(第一種会員)及びみなし業者(第二種会員)で構成される一般社団法人です。
第一種会員は、マネーパートナーズや GMO コイン、楽天ウォレット、ディーカレットなどの19社。
第二種は、c0banのLastRootsやLINEのLVCなど7社、計26社となります。
※2019年5月30日時点
会長は、マネーパートナーズの代表取締役社長である奥山泰全氏が務めています。 なお、同氏は仮想通貨ビジネス協会の理事(非常勤・会長)も務めています。
JVCEAの活動内容
JVCEA は具体的にどのような活動行っているのでしょうか。ここでは、 JVCEA の活動内容に焦点を当てていきます。
JVCEA が設立されたのは2018年の4月23日と約1年前。
コインチェックのハッキング事件をきっかけに、日本仮想通貨事業者協会と日本ブロックチェーン協会の2つの業界団体の話し合いが進展し、結成に至りました。同年10月24日に、金融庁より自主規制団体と認められました。以降は金融庁と連携しつつ、新規の仮想通貨業者の審査や取り扱い仮想通貨の審査を行うための規定を策定していくこととなりました。
JVCEA の目的は、適正な交換業者の運営や利用者の保護です。その実現のために、 JVCEA は次のような業務を行っています。
1.ガイドラインの策定
金融庁に認可された自主規制団体であることから、拘束力を持った規制案の策定を行うことが可能です。例えば、レバレッジ取引の最大倍率の制定や情報管理、広告などの交換業者業務のガイドラインの策定なども行っています。
モネロなどの匿名通貨の取り扱い廃止も、JVCEAの決定によるものでした。
参考:定款・諸規則(JVCEA)
2.交換業者の監理、監督
会員となっている交換業者の法令順守の状況を監理・監査を行うこともJVCEAの活動です。
認定団体であれは、交換業者の行動を監視し、ガイドラインに沿った指導を行うことが可能です。
仮想通貨業界特有のセキュリティーの問題や経営体制、またマネーロンダリングの防止のための本人確認以外にも、広告表示や集客方法まで把握するなど、必要であれば指導することとなっています。
こういったことから、新しいサービスや広告を行う際には、協会と金融庁の確認を経た後にリリースを行う必要があるようです。
3.不正取引防止のための行動
仮想通貨の取引では、株式取引同様に不正取引が起こる可能性があります。そういった取引の監視や、未然に防ぐための規制を定める活動を行っています。
不適正取引の防止のための取引審査体制の整備に関する規則を見ると、交換業者は顧客の取引の審査を行う部門の設置や取引のモニタリングを行う必要があると定められています。流動性が乏しい仮想通貨での、価格のつり上げや仕手的な取引を規制するためだと思われます。
また、ユーザーからの苦情相談を受け付けており、交換業者で問題が起きた時に対応に不満がある場合は協会へ相談を行うことができます。
まとめ
以前、ある交換業者が顧客へ向けて仮想通貨への投資を提案する内容のメールを送ったことがありました。しかし、その内容が協会のガイドラインに抵触したのか、数日後に厳重な注意を受けたことを報告し謝罪メールを事態となりました。
まだ、ガイドラインに沿った業務が完全に浸透していない部分もあるのだと思われますが、認定団体発足までの金融庁が主導する状況と比べると、みなし業者の認定や法改正の進捗など、業界全体の進むスピードは劇的に早くなったと感じています。
また、当局よりも専門的な知識を持つ人が集められているとも言われています。もし、認定団体がもう少し早く誕生していればザイフのハッキング事件は起きなかったのかもしれません。
ここからは、新しい仮想通貨の取り扱いや税制改正などが控えていると言われており、日本の仮想通貨業界のさらなる好転を期待したいですね。