コムサ(COMSA)は、仮想通貨取引所ザイフ(Zaif)の運営企業であったテックビューロが開発したICOをサポートするためのプロジェクトです。
2017年10月2日にトークンセールを実施し、同月27日には100億円の資金調達に成功しました。当時実施された多くのICOの中でも、ホワイトペーパーのダウンロード数や動画の視聴回数を含めて、非常に注目を集めました。
第1号案件である※プレミアムウォーター(2588)の株価はストップ高するなど、株式市場からの期待も高いことがうかがえました。
※後に提携は解消
参考:プレミアムウォーターがS高、仮想通貨による資金調達活発化で思惑◇
その後、3社あった提携先が無くなったり、国内でICOに対する向かい風が吹いたこともあり厳しい状況を迎えながらも、2018年の夏にはCOMSAグローバル・ソフトウェアプラットフォームの提供を開始するなど、開発は順調に行われていたようです。
ハッキング事件で不透明に
しかし、2018年9月にザイフで発生した仮想通貨流出を事件きっかけに、この100億円の行き先が補填に使われるのではないかと話題になりました。
これについてテックビューロは、2018年7月2日に会社分割でテックビューロHDを設立しており、ICOで調達資金した100億円はそちらに移管したと発表。そのため、ICOの調達資金100億円とコムサが影響を受けることなく、ザイフの事業継承と預かり資産の返金などを終えるとテックビューロは解散することになっています。
ちなみに、コムサのトークンであるCMSは、ICO直後は仮想通貨ブームの流れもあり5倍に上昇しましたが、その後は右肩下がりを続けています。ハッキング事件以降、完全に横ばいとなりました。
◇CMS週足チャート
投資家間でテックビューロに対して不信感が募る中、2018年12月18日にCOMSA COREのテストを開始、2019年4月23日にはCOMSA HUBのテストを開始するなど、着実に開発は進んでいます。
開発は継続中
やはり投資家が気になるのは、100億円が今どうなっているかということでしょう。
これに関して、テックビューロHDのサポートセンターへ取材したところ、以下のような回答が得られました。
現在に至るまで、国内のICOトークンに対する法的位置づけや業界の自主規制について内容が固まっていないため、正式なICOプロジェクトを見合わせている。
一方でCOMSA ICOソフトウェアである「COMSAダッシュボード」、「COMSA CORE」、「COMSA HUB」などのプラットフォームソリューションの展開は継続的に行っており、発表できる状況になり次第、公式にプレスリリース等で開示していく。
テックビューロHDの社員が6人しかおらず、本当に全て開発に使用されているのか疑問ではありますが、テックビューロが廃業したとしても今後も継続的に開発が続く可能性が高いと言えます。
テックビューロHDと言えばネム(NEM)財団との提携も発表していますが、ネムの開発もなかなか進まないことで知られています。
コムサのホームページの会社名はテックビューロのままとなっており、見通しは今の仮想通貨市場のように不透明と言えそうです。
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※本記事の意見や予測は、筆者の個人的な見解であり、金融商品の売買を推奨を行うものではありません。
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