ビットフライヤー(bitFlyer)のサービスの中に、bitFlyer FXがあることをご存知でしょうか。
「え?ビットフライヤーってFX会社だっけ」
「ドル円の取引ができるの?」
「そもそもビットフライヤーFXってなに?」
そう思う人も多いと思います。
今回は、ビットフライヤーFXはどのようなサービスなのか。
2016年からビットフライヤーを使っている筆者が、サービス紹介から使い方、メリットや他社のレバレッジ取引との比較などを説明していきます。
ビットフライヤーFXとは
ビットフライヤーFXとは、ビットフライヤーが提供するビットコインのレバレッジ取引のことを指します。またの名をLightning FXと呼びます。これは、bitFlyer Lightningという取引プラットフォームでのみ売買が可能だからです。
現物取引と違い、レバレッジを掛けることができ、空売りも可能となっています。
売買できる銘柄はビットコイン(BTC/JPY)のみとなっており、2015年から取引所形式(板取引)のみで提供されています。
レバレッジはかつて最大15倍まで掛けることができましたが、2019年7月に4倍に引き下げられ、2021年2月に2倍に引き下げられました。
なぜ「ビットフライヤーFX」というネーミングなのかというと、FX取引のようにビットコインのレバレッジ取引ができるビットフライヤーのレバレッジ取引サービスだと分かるようにしたと2016年にビットフライヤーのセミナールームで聞きました。
余談ですが、当時はビットフライヤーの認知度はほとんどなく、セミナールームにも講師の知り合いが10人程度集まったのみでした。
ビットフライヤーFXの商品概要
対象通貨 | ビットコイン(BTC/JPY) |
---|---|
ティッカーシンボル | BTC-FX/JPY |
取引形式 | 取引所形式(板取引) |
取引プラットフォーム | bitFlyer Lightning |
レバレッジ | 2倍(*) |
(*) 2倍の金額で取引できるということは、例えばビットコインが100万円の時に1BTC取引するための必要証拠金は50万円となります。
▼取引単位
最小発注単位:0.01BTC
最大建玉保有上限:各板毎に1000(含注文数量)
▼手数料
アカウント作成・維持手数料:無料
取引手数料:無料
スワップポイント: 建玉金額の絶対値 × 0.04% /日 の合計(単位: 円)
※午前4時の日次メンテナンスの際に保有していた場合に支払う手数料です
例:BTC-FX/JPYが100万円の時に1保有していた場合は、100万円×1(BTC-FX/JPY)× 0.04% = 400円
▼Lightning FX SFD(Swap for Differrence)
Lightning FX 取引価格と Lightning 現物(BTC/JPY)取引価格が 5% 以上乖離している場合、約定ごとに以下の Lightning FX SFD が発生します。 SFD は約定ごとに発生し、ポジションの決済時に清算されます。ただし、決済注文の約定時には、付与いたしません。
約定の種類 | 新規注文 | 決済注文 |
---|---|---|
価格乖離を拡大する方向の約定 | SFD 徴収 | SFD 徴収 |
価格乖離を縮小する方向の約定 | SFD 付与 | SFD なし |
「価格乖離 (%)」は以下の式で計算されます。
価格乖離 (%) = (Lightning FX 取引価格 ÷ Lightning 現物 (BTC/JPY)最終取引価格 − 1)× 100
「SFD」は以下の式で計算されます。
SFD(円)= 取引数量 × Lightning FX 取引価格 × SFD 比率
SFD 比率は下記をご参照ください。
価格乖離 | SFD 比率 |
---|---|
5% 以上 10% 未満 | 約定金額の 0.25% |
10% 以上 15% 未満 | 約定金額の 0.50% |
15% 以上 20% 未満 | 約定金額の 1.00% |
20% 以上 | 約定金額の 2.00% |
1BTC × 112万円 × 0.50% = 5,600円(SFD価格)
▼スプレッド:2way priceではなく、板形式のため流動的です。
0円~300円程度が標準的です。
▼追証
ステータス | 説明 |
---|---|
追証 | 証拠金維持率が 100% を下回った状態をいいます。ステータスが追証に該当した場合は、後述の「追証ルール」が適用されます。 |
ロスカット | 証拠金維持率が 50% を下回った状態をいいます。 ステータスがロスカットに該当した場合は、後述の「ロスカットルール」が適用されます。 |
◯ 追証ルール
証拠金維持率が 100% を下回った場合、以下のルールが適用されます。
- すべての未約定の新規注文が失効(取消)
- 証拠金維持率が100%超となるように、2銀行営業日以内に追加の証拠金を預け入れる必要。 証拠金維持率が100%を下回ってから、2銀行営業日後の17時時点で証拠金維持率が100%を下回っている場合、ロスカットルールが適用されます。
◯ ロスカットルール
相場が急激に変動した場合には、ロスカットルールが適用されても、証拠金の額を上回る損失が生じることがあります。この場合、ユーザーは速やかに金銭を充当し不足金を解消する必要があります。
- 発生した不足金額以上の現金を入金しない場合、bitFlyerが任意でユーザーのbitFlyerアカウントからLightning FX/Futures 口座への振替入金手続きを行うことがあります。 その際、不足金額の充当に必要な場合にあっては、bitFlyerが任意でbitFlyerアカウントからの出金・ビットコインの送付指示を取り消すこと、注文を取り消すこと、お預りする仮想通貨等の資産を処分すること、処分の対価を含むお客様が当社に預託している金銭をユーザーがbitFlyerに負担している債務の弁済に充当することがあります。
ロスカットルールは次のとおりです。
- すべての未約定の新規注文が失効(取消)されます。
- (1) の結果、なお証拠金維持率がロスカット水準を下回っている場合、Lightning FX/Futures の全建玉を自動的に反対売買して決済します(ロスカット注文)。
- ロスカット注文は、全建玉に対して成行で決済注文を行います。
- ロスカットルールが適用されると、全建玉の決済注文が約定するまで取引を再開することができません。
- 不足金が出た場合、仮想通貨のご送付、日本円ご出金、bitWire は停止します。
▼現引き
現引きとは、レバレッジを掛けているポジションを現物に置き換えることです。
ユーザーより注文を受けた翌営業日の当社任意時点のLightning FX 板の加重平均約定価格 x 建玉数量 x 20%で算出した日本円金額が支払われます。
APIの利用が可能
API を活用することで、取引所の注文状況や公開されている取引の履歴、板情報を参照することができます。
一般的には自動売買システムを作成し、取引所で新規注文やキャンセル、自分の残高を確認することも可能です。
REST APIだけでなく、Realtime APIによるリアルタイムフィードも実装しています。また、Realtime APIを使えば iOS、Android、Ruby、JavaScript、Java、Objective C、.NET や Node.js でもデータを受けることができます。
ビットコインの預入れ
Lightning FX では、日本円だけではなくビットコインを証拠金として預け入れることができます。ただし、ビットコインの評価額はbitFlyer Lightning 現物(BTC/JPY)の最終取引価格の8割を掛けた額をもとに日本円に換算されます。
つまり、ビットコインが100万円の場合、約80万円分が証拠金として使うことができます。
デモ取引
仮想通貨のデモ取引がある数少ない取引所です。
とはいえ、Lightningの操作ができるのみで、仮想資産での売買はできません。
他取引所のレバレッジ取引とどう違うのか
ビットフライヤーのレバレッジ取引は、名前はビットコインFXですが、板取引のため株式取引の信用取引に近いと言えます。
そのため、スプレッドがある取引が苦手な人や、指値注文を多用する人はビットフライヤーの方が良いでしょう。
2018年などは、国内の売買代金がグローバルで高く、レバレッジが15倍あったことから、取引高が世界一であった日もありました。
今でも、レバレッジ取引では2020年4月月次情報を見ると、月間3兆円程度とLiquidやGMOコインの1兆円程度と比較しても圧倒的な差があるため、多くのトレーダーから支持されていると言えます。