9月24日、欧州委員会は仮想通貨(暗号資産)に関する規制案を発表しました。
仮想通貨市場に関する規制(MiCA)の内容
- 仮想通貨の発行体は、発行前に承認を受ける必要がある
- 発行体はEU内に拠点を置くこと
- ルールに違反した場合は罰金を支払う
- ステーブルコインはEUの法定通貨と1対1で連動させ、EBAが各国の金融当局と協力して監督
- フェイスブックのリブラなどの複数通貨裏付けのデジタル通貨は欧州銀行監督局(EBA)が監督
- 裏付け資産についても全額または一部を準備金として用意
- 準備金はEUの認定機関に預け、ユーザーの要求に応じて法定通貨と交換できるようにする
- 仮発行体には、既存のマネーロンダリングなどのEU金融規制を適用
出典:https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_20_1684
投資家の保護、金融システムの安定などの観点から包括的な規制が提案され、2024年までに導入を目指すとされています。
冒頭に、この規制によりヨーロッパの金融セクターにおける競争力と革新を後押しし、グローバルスタンダードになる道を開く、と書かれています。また、EUの経済回復を支えるという文章もあり、仮想通貨及びブロックチェーンに対しての期待感が高いことが伝わってきます。
特に、ステーブルコインに関する記述が目立ち、フェイスブックのリブラをきっかけに大きな変化を感じます。
サンドボックス制度を導入
規制が進むなかで、仮想通貨の取引や決済についてはサンドボックス制度を導入することが発表されました。
サンドボックス制度とは、新しい技術やビジネスモデルを用いた事業の促進が目的です。企業はトレードや決済の実証実験などにおいて、規制の適用を受けずに事業を行うことができます。
米国では重要な法案が提出
同日、米国では二つの仮想通貨関連法案が提出されました。
証券法案:仮想通貨が証券かどうかを明確にすることが目的
取引所規制:取引所の定義を明確にし、米商品先物取引委員会の管轄にすることが目的
一見、より厳しくなりそうに思えますが、事業者が州ごとに求められるライセンス業務が米政府に統一されることになります。そうなれば、米国内の仮想通貨規制が合理化され、取引所の参入障壁を下げることにつながるそうです。
特にNYなどでは、仮想通貨に関する規制が厳しかったことが知られています。州によって営業できないという取引所側のジレンマが解消され、新規マネーの流入につながる可能性は高そうですね。