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中国における仮想通貨の財産性認定判例と日本との関係について

筆者: 緒方裕理

5月7日、中国ではビットコインを法律によって保護されている財産だとして認める判決が裁判所から出されました。

これまで仮想通貨(暗号資産)は「法で保護される財産」という司法判断にとどまり、通貨としての合法性は否定されていましたので、今回の判例は中国や世界の仮想通貨市場に大きな一石を投じることになるといえるでしょう。

この判例が注目されるべき理由についてお伝えいたします。

事の始まりは、2018年に4人組の強盗が夫婦が住む上海のアパートに侵入。2人を暴力などで威圧し18.88BTCと6466SKYを自分たちの持つアドレスに送金し奪った事件です。

その後強盗は捕まり、裁判所は彼らに仮想通貨の返却もしくは相当額を法定通貨で返還する判決を下しました。しかし、強盗はこの判決に対して上訴を行い、「中国では仮想通貨の財産性は認められていない」ことを理由に返還義務はないと主張します。

これに対して「仮想通貨は法的に保護されるべきであるが、ビットコインは仮想の資産とみなされる」という判決が下されました。この時、財産性は認められなかったのです。

つまり、この時点では、盗難などの被害にあっても中国では弁済されない可能性がありました。

しかし、2020年に発生した同様の事件において「ビットコインは保護すべき財産である」という180度異なる判決が下されたのです。

日本の仮想通貨の財産性

世界では中国での財産性に関する判決が話題となっていますが、日本の制度はどうなっているかも確認しておきましょう。

2016年に金融庁が「仮想通貨は決済手段である」と定義しており、2017年には仮想通貨関連法案等が施行されました。

しかし現在、仮想通貨が相続税の課税対象となるかどうかに明確な判断はありません。

相続税の対象とならない理由としては、相続人が仮想通貨を利用できない可能性が挙げられます。ウォレットの秘密鍵を相続先に伝えていないと、仮想通貨を相続することは不可能です。

そのため、相続を実施するハードルが若干高いとも言えます。また、仮想通貨の相続税に関しては株式などと同様に価格変動により相続が決まるまで価値が変動するという面が大きくなります。そして、相続できたとしても相続税がかかります。この相続税はビットコインを日本円に換算してから計算する必要があるため、一律とは言えません。


原則として相続開始時の時価によって相続税の評価額を算出するため、課税対象として金額をどう定めるのかも検討しなくてはいけません。

2020年7月の北京仲裁委員会(BAC)の発表

北京仲裁委員会(BAC)は2020年7月に「中国政府が示している法的なスタンスはビットコインを完全に禁止しているわけではない」というレポートを公表しました。

中国は、2017年10月に規制当局によって仮想通貨取引所における仮想通貨と人民元の取引を禁止しました。

2017年まで仮想通貨の世界的中心にいたとも言える中国の取引所は閉鎖まで追い込まれています。現在は取引を行う場合は、水面下で提供されている店頭取引でトレーダーが取引しなければいけない環境に置かれています。

「財産性」が認められたとなると、今後取引所に関しても認識が変更される可能性はあります。

仮想通貨の相続法についても検討中

仮想通貨を含むデジタル資産について、全国人民代表大会でも話し合いが進んでいます。その中でも注目されているのが、デジタル資産に関する相続財産法についてです。

2020年の全国人民代表大会について、草案が討論されて注目が集まっていますが、民法典法案に関する草案が幅広く議論されています。

民法典法案が採択されれば、中国で初めて法典というキーワードがついた法律が制定されることとなります。

中国では1985年に現在施行されている相続法が成立しており、不動産や分解遺物、著作権などを保護してきました。これが改正されると、個人遺産は亡くなった後も、合法的な資産と見なされます。

また、この項目に対してデジタル資産も追加されることとなり、中国の仮想通貨業界においてもプラスも影響が出てきます。

既存の制度では、物理的財産である不動産や金銭以外のデジタル資産は保護対象ではありませんでした。しかし、今回の草案によってはデジタル資産も保護対象となり、ビットコインをはじめとする仮想通貨も財産として認識されます。

現在、デジタル人民元の実証実験も加速度的に進んでおり、中国がブロックチェーン・仮想通貨をリードしていく時代はそう遠くないのかもしれません。

緒方裕理

緒方裕理

仮想通貨取引7年目のクリプト専門ライター。コインチェックなどの大手取引所から個人レベルの仮想通貨まで扱う専門家。ブロックチェーンなどの基礎理論も理解した上で記事を作成しています。長年の取引経験から、実際に使えるネタを提供することを信条としています。

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