12月に入りビットコインは大暴騰。
日本人のボーナスの買いの噂も手伝い、200万円を越える相場を演じました。
2018年のビットコインはどうなるのか?
今回は、取引所関係者やアルトコインの専門家2名と株式の億トレの4名にビットコイン決済のできるお寿司屋さん『銀座沼津港』お越しいただき今年の仮想通貨に関する振り返りと来年の見通しを語ってもらうことにしました。
◇参会者紹介
Aさん:取引所関係者
仮想通貨歴:2014年~
菅原さん:アルトコイナー
仮想通貨歴:2017年5月~
TAKAさん:アルトコイナー、株式投資家
仮想通貨歴:2016年4月~
DJTさん:株式投資家
仮想通貨歴:2017年3月~
2017年を振り返って
みなさん、以前から投資を行いながら、今年から本格的に仮想通貨に投資を始められたということですが、どうでしたか?
TAKAさん:もともと株式投資を行っていますが、今年は仮想通貨のパフォーマンスが圧倒的でした。
Aさん:私も今まで株式、FXなど様々なものに投資を行ってきましたが、今年は仮想通貨に絞って投資を行ったという感じですね。
DJTさん:自分は投資のイベントで仮想通貨の取引所がブースを出しているのを見て、これは来るな!と思いました。結果的にその時期がイーサリアムやライトコイン、リップルの上昇時期前だったので、良いタイミングで参入できましたね。
菅原さん:自分は投資を行ったことはなかったのですが、同僚の株式投資家に誘われてGW明けにはじめました。ビットコインはかなり上昇していたので、自分なりに多数のアルトコインを研究して、NEOで10倍ほど取れたという感じですね。
児山:流石、みなさん始める時期が良いですよね。
ビットコインが140万円まで上昇しましたが、どうみていますか?
Aさん:取引所を行っているので、日々のユーザー数の増加や入金額から、それほど驚きはありません。
夏前あたりから、ビットコイン120万円予想は多くの人が唱えていましたので、世間は驚いていますが、むしろ上昇して当然だったなという感じです。
TAKA:セキュリティーソフトで有名なマカフィーの社長は5000万円とかいってますからね、そういうのを聞いていると100万円はノーサプライズですね。ただ、直近は新規の投資マネーが一気に流入しているので、12月のボーナス、給料日が終わった後は揺り戻しがありそうですね。
NEOで10倍のパフォーマンスに成功した菅原さん
取引所に関して
児山:ところで、みなさんはどこの取引所を使われていますか?
自分はビットコインはbitFlyer FXでレバレッジを効かせて、アルトコインはキャッシュ以外はbittrexという感じですが。
菅原さん:夏に中国でできた取引所でBINANCEを使っています。今は上海に移転して、流動性もかなり高く、多数のアルトコインを扱っているので、重宝してます。
Aさん:アービトラージを行うので、どこというのはなく、多数の取引所を利用しています。海外の小さなところは、セキュリティーが不安で、国内もサーバが弱かったり、流動性が乏しかったりと、ここが一番というところはないですね。
TAKAさん:私はbittrexやBINANCE、cryptpiaなど海外取引所がメインですね。
アルトコインを買うとなると、国内ではほとんど買えませんしね。
DJTさん:国内の取引所でしょっちゅうサーバーがダウンするところがありますよね。
もう、みんな諦めるレベルになってきてしまってますが、金融庁の認可がおりてるのに毎日ダウンは酷すぎます。これは早急に改善しないとダメですよね。
児山:取引所には自分も不満が多いですね。
新興市場なので仕方ないのかな、とも思いますが、大手はスプレッドや取引量を見ているとかなりの利益を出しています。それなのに、サーバーがダウンするとか顧客サポートが遅いとか、ユーザーを大事にしないような姿勢はいただけないですね。
TAKAさん:口座開設しても、本人確認のはがきがもらえるまで2週間とかはもはや当たり前になってきてますね。
Aさん:仮想通貨の取引所は金融の人が少なくて、IT関係の人が多いのが特徴です。投資を行ったことがない人が多いので、取引ツールも使いづらいですし、色々と少しずれてしまってますね。
今の大手取引所も、今後既存の証券・FX会社が参入してくると再来年くらいには過疎化しているか吸収されている可能性は十分あると思います。
菅原さん:国内だとアルトコインはイーサリアム、ライトコイン、リップル、ビットコインキャッシュくらいなので、そこそこ経験を積んだ人は自然と海外に流れる傾向にありそうですよね。
DJTさん:ビットコインはドル円と同じで、やっぱり取引量は圧倒的なのかなと思います。
でも、資金を持っててずっと生き残る投資家はビットコインの流動性を担っているか、海外でアルトコインの取引を行うので、その層を取引所はどうするかが重要なんでしょうね。
アルトコインに関して
ビットコインは10倍以上になりましたが、イーサリアム、リップルは50倍以上、ライトコインも40倍ほど、NEMは去年から100倍以上になりました。
印象に残っているアルトコインや今後も期待できるアルトコインはありますか?
自分は決済通貨として、ライトコイン(LTC)に期待しています。
Aさん:ライトコインは良いですね。ビットコインキャッシュ(BCH)との戦いになると思いますが、時価総額が軽くてセキュリティーも高い、開発陣も揃っているのでキャッシュより値上がりしてもおかしくありません。ウェブボットは12万円という予想も出していますね。
◇ライトコイン/円(LTC/JPY) 週足チャート
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菅原さん:自分はリスク(LSK)ですね。meet upに参加して直接開発者に話しを聞きましたし、ICOを誰でもできるように、LSKを開発者が簡単に使えるように、という構想は素晴らしいです。
SDK(ソフトウェア開発に使うツール)がリリースされるとムーンするんじゃないでしょうか。
TAKAさん:私もリスクに期待しています。様々なアルトコインを探して底値を拾う、ということをやっているので、今これは!というのはないですが、国内の取引所で買えるリップルはSBIの取引所でも取扱いがありますし、なにより送金で圧倒的スピードを誇っています。半年間停滞していますが、そろそろ暴騰するんじゃないでしょうか。
◇リスク/円(LSK/JPY) 週足チャート
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ICOに関して
児山:2017年前半はICOが盛り上がりましたよね。印象に残ったことはありますか。
Aさん:ICOを購入するためにイーサリアムに資金が集中し1万円から5万円近くまで一気に上昇しましたよね。ICOは開始時間が決まっているので、その前にイーサリアムを用意しようと買いが集中しやすい。ICOというよりも、そっちが印象的でした。
TAKAさん:日本でCOMSAとQASHがあったおかげで、ようやく日本でもICOの基準ができあがりつつありますね。COMSAにはまだ何も上場してないけど。
菅原さん:ZaifはCOMSAのトークンセールの開始時間が不明だったり、サーバーが何時間も落ちたりと、問題点が山積。そのあたりは完成させてから運用しないと後々誰も良い思いしなさそうですけどね。
DJTさん:それにしても、QASHがたった半日で100億円集めたのは驚きでしたね。大口の人が大量に買ったようですが、それにしてもどこからそのお金が来るんだと。それだけみんな利益を出しているんでしょうね。
仮想通貨の税金に関して
児山:ビットコインは結局1年を通して右肩上がりに上昇しましたから、少なくとも10月以前に仮想通貨投資を始めた人はほとんどの人が儲かっていますよね。
DJTさん:仮想通貨の税金は総合課税なので、元々給料の高い人や初期から始めた人は大変ですよね。最高税率は55%。儲かっても半分以上持って行かれるという悲劇です。
児山:2017年に仮想通貨で1億円利益出た人も、レバレッジ利かせてたりすると危ないですよね。30%の下落で資産が減って、税金で半分持って行かれると、残りは20%ほどしか残らない。今、どれだけ利益を上げている人でもあっという間に消えてしまう可能性がゴロゴロしてますよね。
TAKAさん:それが嫌でニシノカズさんは海外へ行ってしまいましたからね。
Aさん:これは業界として何とかしないといけないですよね。税金を払うと顧客の預かり資産も一気に減ることになりますし、もちろんその瞬間から取引高は減って取引所の利益も減ってしまう。メディアとしてもこの税率の悪さは問題視してほしいところです。
児山:FXでは20%になるのに10年ほど掛かりました。さすがにそこまで掛かるとは思えませんが、国としては美味しい税金の徴収先なので、少なくとも2018年中に改正されるとは思えないですね。そうなると、利益を上げられる人はみんな法人化するしかないでしょうね。
2018年の仮想通貨市場
児山:2018年の仮想通貨市場はどうなると思いますか。
Aさん:ビットコインの上値はともかく、主要アルトコインの上値はまだまだあるのではないでしょうか。ビットコインが送金手数料高騰問題にぶち当たっているので、ビットコインキャッシュ(BCH)やライトコイン(LTC)は良さそうですね。
◇ビットコインキャッシュ/円(BCH/JPY) 日足チャート
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TAKAさん:オミセゴー(OMG)のように半年前にはなかったようなアルトコインやモナコイン(MONA)のような草コインが続々と時価総額を上げてきて注目されています。そういった意味では、今は存在すらしない仮想通貨が注目を集めている可能性は十分ありますよね。そういった意味で、草コインは常にチェックする予定です。
DJTさん:日本では取り扱っていないけど、海外では知名度があって取引高もあるアルトコインは有望ですよね。オミセゴーはたしかに良さそうですね。
菅原さん:リスクは開発をやってますし、2018年はリスクでICOを簡単にしたいといってます。なので、開発が進めば2017年のイーサリアムのようにリスクが5倍、10倍になる可能性は秘めてそうですね。
児山:あとは何だかんだ言って中国ですかね。取引規制をしながらも、結局再開した経緯が過去にあります。
今はwe chat?みたいなので、取引所のごとく相対取引が気軽にできているそうですから、国としてはそっちの方が監視できずに危険だと思っているに違いないのかなと、そうなると、結局取引所を再開して資金の流れを見えるようにした方が良いということになって再開するのではないでしょうか。
個人的にも、ライトコインは決済・送金の代替通貨にいなるのではないかと注目していて、ウェブボットも9~12万円を予想していますよね。
Aさん:仮想通貨の取引は米国では3%くらいの人が行っているようですが、日本ではまだ1%にも満たないですよね。なので、ビットコインの価格が上昇しなくても仮想通貨市場に資金は流入し続けると考えられます。そうなると、仮想通貨全体の時価総額は上昇していきそうですよね。
ーありがとうございました!
おわりに
お会計時に、ビットコイン決済の状況を聞いてみました。
そうすると、ピーク時には月に50~60件あったBTC決済の最近1ヶ月は20件あるかどうかということ。
ビットコイン価格の上昇と共に送金手数料が上がっており、わざわざビットコインで決済すると送金で損をしてしまうことが関係しているようです。
ビットコイン価格の上昇ばかりが注目されていますが、ビットコイン本来の使用用途である送金・決済は不便なものになっている事実を目の当たりにすることとなりました。
これをバブルと呼ぶかどうかは、アービトラージ取引が活発に行われているのでしっかりとした送金需要があり、筆者は否定的です。
しかしながら、新興国で自国通貨の高騰に苦しんだ人の救世主となったビットコインの価格が上昇してしまい使いづらくなってしまったことに少し悲しさを感じる面がありますね。
ー良いお年をお迎えください!