年明けから軟調な推移となっていた仮想通貨(暗号資産)相場ですが、ここ数日で大きく値を戻しています。
ビットコインは、4万ドル割れでの買い意欲が旺盛でした。しかし目立った材料は乏しく、その後の上昇は株式市場が反発したことによる連れ高のようにもみえます。
少し気になるニュースとしては、昨日パウエルFRB議長が「デジタル資産に関する報告書を数週間以内の発表」ことを明らかにしたことです。
過去に、FRB議長が仮想通貨に関して何らかの発言を行った際には、相場が大きく反応してきました。また米国では水面下でステーブルコインに関する規制が進んでいると言われており、報告内容は非常に気になるところです。
この内容次第では、世界第2位のステーブルコインで米ドルに連動するUSDコイン(USDC)を手がける米サークル社の今後の動向にも大きな影響を与える可能性があります。同社は昨年7月に上場計画を発表しており、仮にネガティブな内容であれば、時価総額4兆円強もあるUSDCから資金が抜けてしまう可能性が考えられるからです。
仮想通貨と法規制の問題は切り離せませんが、12日にツイッター創業者のジャック・ドーシー氏がビットコイン開発者を訴訟から守るためのファンドを立ち上げる計画を発表しました。ビットコインの開発者はさまざまな訴訟の対象となっており、仮に被告になれば法的支援がないため、それを支援するためだそうです。
米国インフラ投資法案でも、仮想通貨業界は法的に風下に立たされていましたが、同時に5,6人の議員は法改正に尽力していました。ドーシー氏のような影響力のある人物が動くことで、業界の味方が少しずつ増えてくることを期待したいですね。
米消費者物価の発表でBTC上昇 4カ月連続
昨日は、米消費者物価の発表がありました。
結果は前年同月比7.0%、前月比は0.5%とおおむね市場予想通りとなりました。
為替市場では、ドル買いのポジションに傾いていたのか、ドル円は114円台半ばまで下落する動きとなりました。一方で、仮想通貨相場は強い動きとなりました。
物価の上昇はドル資産の毀損を意味し、インフレに強い資産とされる株式や不動産、金、そしてビットコインには追い風です。
10月の米消費者物価の発表から、ビットコインが買われる傾向にありましたが、今回は発表前に買われる動きとなりました。
NY市場の終値でも500万円を回復し、堅調な動きが確認されています。
相場の節目を、トレーディングビューの出来高プロファイルで見ておきましょう。価格情報はビットフライヤーとなっています。
▼ビットコイン4時間足チャート
参考:TradingViewの出来高プロファイル
出来高取得期間:12月22日~1月13日
出来高が最も多くなっている価格帯は、先週の中心価格である485万円付近となっています。その上の節目は、505万円、540万円前後であることが分かります。
そのため、505万円付近を明確に上抜けることができれば、年明けの価格帯である530万~550万円まで値を戻すことができそうです。