株式相場は軟調ですが、今日の仮想通貨(暗号資産)相場は反発を見せています。
その背景には、バイデン米大統領から仮想通貨関連の大統領令について、イエレン財務長官の声明が午後1時ごろに先行公開(後に削除)されたことがありそうです。
公開された内容は、事前にリークされていた通りとなったため、予想以上の規制とならなかった安心感から買われる展開となっているようです。
声明内容では、「違法な金融取引のリスクを規制するための枠組みをつくるとともに、消費者および投資家保護を推進しながら金融システムと経済全般への影響を防ぐことを目指す」となっています。
懸念されていたステーブルコインの発行体が銀行などに限られることなく、また取引および送金に制限がかかるような内容ではないようです。
相場は全面高となっていますが、このまま上昇し続けるのかといえば、まだまだ安心もできません。
まずは、明日10日に予定されているロシアとウクライナの外相会談が焦点となるでしょう。開催場所はトルコということで、エルドアン大統領が仲介に一役買っています。
今までの経緯を考えるとスムーズに停戦となる可能性は低そうですが、ロシアがウクライナへ侵攻してから初めてのトップ級の話し合いですから、事態が大きく好転する糸口がつかめる可能性がありそうです。
ロシアでインターネット遮断声明
外相会談でポジティブ材料が出なければ、上値は重くなるでしょう。なぜなら、昨日東ヨーロッパ最大メディアNEXTAより出された3月11日にロシアのインターネットを遮断するという旨の報道です。
もしそうなれば、 ロシア国内に立っているブロックチェーンのノードが遮断される可能性があります。
以前、カザフスタンで一時的にインターネットが遮断された際には、ハッシュレートが10%ほど急落。ビットコインは10%以上急落することとなりました。
現代において、インターネットを遮断するなどありえないように思えますが、一部では既に現実になっています。
ロシアでサービスを提供しているインターネットプロバイダーで国内2番目のシェアを誇るCogent Communicationsが、ロシアのクライアントへのインターネット接続サービスの提供を停止したと報じられています。つまり、同社を利用していたユーザーは、一時的にインターネットにアクセスできない状態が起きているのです。
参考:A new iron curtain is descending across Russia’s Internet
仮想通貨によっては、分岐(ハードフォーク)を迫られるモノも出てくるかもしれません。
そしてロシアへの制裁が続くとなると、アップルやグーグル、フェイスブック、ネットフリックスなどのプラットフォームにしばらくの間アクセスできなくなる状態が続きます。
チャットツールなども使えませんから、ロシア国民のコミュニケーション手段の大半が失われでしまいます。IT企業もクラウドを使用しておりますから、AWSやAzureにアクセスできません。クラウドへのアクセスは本当に致命的だと思います。
昨年、中国でのマイニングが完全に禁止されて以降、ロシアでの仮想通貨のマイニングシェアは高まっているため、一波乱ぐらいはあるように思えます。
こう考えると、目先はポジティブ要素が少ないと考えられるため、上値は重いように感じます。