先週のビットコインは、大きな三角保ちあいの中で推移するレンジ相場となりました。
1時間足以上でトレンドが明確に出ないような相場でしたが、ボラティリティは高く、1日に5万円〜10万円動く相場だったので、値動きに翻弄されてしまった投資家も多いかもしれません。
しかしレンジ相場だという予想ができていれば、上手く立ち回ることのできた相場だったとも言えます。
2018年から8カ月ほどかけてつくった、巨大な※ディセンディングトライアングル型の相場を形成しているようにも見えます。
※下降三角形。売り手の力が強く徐々に高値を切り下げていくものの、下値では買い手の抵抗力が強くなかなか安値を更新しない時に現れるチャートパターン。
◇ビットコイン(BTC/JPY)週足チャート
米中貿易摩擦によるリスクオフムード
8月23日、米国のトランプ大統領が米中貿易をめぐり、中国への報復措置を取る方針を明らかにしました。これを受け貿易摩擦が激化する事への懸念からドルや株式が売られ、リスク資産である円や金を買う動きが進んでいます。
特にゴールドは、米国の追加利下げへの高まりと世界経済への不安から強く買われ、一時50ドル以上の上昇を見せました。
ビットコインを中心とした仮想通貨も、ここ数カ月は利下げ局面やリスクオフ相場の際に買われる動きを見せたため今回も上昇。相場全体の流れとしては、仮想通貨は買い優位な状況にあると考えられます。
4時間足チャート分析
4時間足チャートを見ると、引き続き大きな下降チャネル内で値動きが推移しています。
黒色の下降トレンドラインが引けますが、今日の午前9時に急騰しブレイク。
直ぐに半値押しとなっているので、補助線として赤色の下降トレンドラインを引いています。
◇ビットコイン(BTC/USD)4時間足チャート
第一段階として、三角持ち合いを上にブレイク(110万円の完全突破)するかどうかは今夜にも決着が付きそうです。
そして、大きな流れの下降チャネル(120万円付近)を上抜けすることで、完全な上昇トレンド再開と捉えることができるでしょう。
それまでは長期の買いポジションを持つことは控えた方が良さそうです。
長期EMA(100日)もローソク足の上にあるため、私は4時間足レベルではまだ下降トレンドと捉えています。
1時間足チャートに時間軸を落として、細かい戦略を考えてみましょう。
1時間足チャート分析
◇ビットコイン(BTC/USD)1時間足チャート
今日の午前9時過ぎ、ビットメックス(BitMEX)で約4400枚ほどの強制ロスカットが起こるほどのショートカバーが発生。黒色の下降トレンドラインに頭を抑えられていた部分を上抜けしました。
米中貿易摩擦の激化によりドル円が105円を割り込んでおり、日本の株式市場が安く始まると予想。同時にビットコインも連れ安するだろうという思惑から、事前に売りポジションが傾き過ぎていただけに、強烈なショートカバーとなりました。
しかし、急騰後はポジション調整が行われ、半値戻しの水準で推移しています。
今後の売買戦略
基本的にトレンドラインを引きながら短期売買していくつもりです。
短期では、黒色下降トレンドライン上抜けしていますので、押し目買いを狙っていきたいと考えています。
長期で狙う場合は、まだレンジ相場を予想しているので赤色の下降トレンドライン付近で売り。もし赤ラインを抜けてしまった場合は、買いに転換。下降チャネルの上限で利益を確定し、ドテンショートを狙うトレードを予定しています。
個人的には長期的に下目線ですが、100万円付近では何度も押し戻されていることから、突っ込んで売るには難しい状況。
相変わらずボラティリティが味方しトレーダ―には嬉しい相場ですので、短期的にメリハリのあるトレードをしていきたいと思います。
※本記事の意見や予測は、筆者の個人的な見解であり、金融商品の売買を推奨を行うものではありません。
投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。