株式市場や仮想通貨市場には様々なチャートパターンが出現します。相場は参加している投資家の売買によって動かされているため、買いが強い状態や、売りが強い状態、相場が均衡している時などそれぞれの状態に応じて現れやすいチャートの形が複数存在します。
もちろん、全てがそのパターンに当てはまるわけではありません。しかし、チャートがパターンに基づいて推移すると、上昇もしくは下落しやすいという法則にある程度当てはめることができるようになります。
そのため、チャートパターンを覚えておくだけで次の値動きの予測に役立ちます。そしてパターンが出現した場合、投資家の多くは同じチャートを見ているため、その形状が示す方向へ買いや売りの圧力がかかりやすくなります。
今回は、筆者が必ず覚えておくべきだと考えるチャートパターンを解説します。
チャートパターンとは?
チャートパターンには大きく分けて2種類あり、「トレンド反転型」と「トレンド継続型」に分類されます。
価格の推移に応じてトレンドラインを引いていくと、その形状がいくつかのパターンに当てはまり、それぞれに合わせた法則に沿った分析を行うことができます。
トレンド反転型
ダブルトップ・ダブルボトム
この2つは相場の天井圏、底値圏で出現しやすいパターンであり、トレンド転換時などによく見られます。
ダブルトップとは高値をつけてから下落し、再度高値の更新を目指そうと上昇したものの、高値を更新しきれずにトレンドが転換してしまうパターンです。
ダブルボトムはその逆で、前回につけた安値を更新しきれずに反転するパターンのことを指します。
2つの安値に挟まれた高値(反落の起点)の地点においてチャートの横軸と平行に引いた線をネックラインと呼び、2度目に底打ちした価格がこの水準を突破すれば、上昇(下降)トレンドに入ったと判断します。
投資家心理としては、1度目の下落ではまだトレンド継続の可能性が高いため、含み益のある投資家もポジションを持たない投資家も様子見をしている状態です。しかし、ネックラインを超える下落を見せた場合、含み益をこれ以上減らしたくないと買いポジションを売り、ポジションを持っていない投資家は新規で売りポジションを持ちます。そのため、売りが加速し強い下落が見られます。
三尊・逆三尊(ヘッドアンドショルダー)
このダブルトップ・ダブルボトムのパターンを少し変形させたものが三尊・逆三尊になります。
三尊天井と呼ばれるのは、お釈迦様を中央にして左右に菩薩様が配置された三尊像のようにも見えることからです。高値圏でこのパターンが出現すると、大天井をつけた可能性が高いと判断します。下落反転の形が三尊、上昇反転の形が逆三尊となっています。
高値を更新しきれずにネックラインを抜け、下落(上昇)反転するのは同じですがダブルトップ・ダブルボトムと異なり山が3つつくられるため、三尊や逆三尊と呼ばれています。
上昇ウェッジ・下降ウェッジ
こちらも底値圏・天井圏でよく見られる値動きとなっており、トレンドラインを引いてパターンを発見します。
下向きに切り下がるような三角形をつくり、トレンドラインをブレイクした方向へ新たなトレンドが形成されます。特に仮想通貨では長い時間足でも短い時間足でもよく見られるパターンになっており、ブレイクした方向へポジションを持つ戦略を取ることが多いです。
トレンド継続型
平行チャネル
トレンドラインを高値と安値に2本引き、繋ぎ合せたものが平行チャネルになります。
平行チャネルの中で値動きが推移している場合は、そのトレンド方向へトレードすることが基本です。平行チャネルのトレンドラインを割り込んだ場合にポジションを決済したり、トレンド転換と判断し、新たなポジションを取ったりします。
仮想通貨では平行チャネルもよく見られ、必ず覚えておくべきパターンのひとつだと考えています。
上昇ペナント、下降ペナント(三角保ち合い)
切り下がる上値と切り上がる下値を繋いで、2本のトレンドラインで結んだものがペナントになります。
相場の揉み合い状態で出現することが多く、次第に上下の値幅が小さくなっていくことがよくあります。売りと買いのどちらの勢力も方向を決めかねている状況で、上下のどちらかに流れが生じた途端、貯まっていたエネルギーが開放されて一気に動意づくことがあります。
ペナントと判断できずにトレードを行なってしまうと、値動きに翻弄されてしまいます。売買戦略としては、ブレイクした方向へ素直に乗ることが基本です。