<解説及び着目点>
11月第1週の暗号資産売買マーケットは、ビットコイン(ティッカー:BTC)が保ち合いを続ける一方、イーサリアム(同:ETH)、ポルカドット(同:DOT)、ソラナ(同:SOL)など主要なアルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)が史上最高値を更新する展開となっています。
株式など伝統的マーケットは、米国を中心とする世界経済の動向や、米国のテーパリング(量的緩和縮小)開始が注視される中で、IT関連企業の業績好調(3Q決算)の確認が契機となり、米国株式市場(NYダウ、ナスダック、SP500、ラッセル2000)は史上最高値を更新しています。
米国にリスクマネーが集中し、その許容度も高まっていますが、暗号資産への波及は限定的です。ビットコイン先物ETF(上場投資信託)が新規上場したとはいえ、資金流入ルートは限られていることから、いわゆる「リスクマネーの循環(暗号資産マーケット⇔伝統的マーケット)」にまだ繋がっていない様です。
この間、暗号資産時価総額No.2であるETHがまっ先に史上最高値を更新しました。
これを単純にBTCが小休止している間の動きとみるのは早計で、もしかしたらBTC一強の暗号資産マーケットの変化点かもしれません。ETHについては、12月にも大型アップデート(ディフィカルティボム/difficulty bomb)が予定されており、予定通り実装されると、一皮むけたETHに生まれ変わるきっかけとされています。
JDR.株式会社では、暗号資産マーケット指標としてJDR.Index(ジェーディーアールインデックス)を算出、24時間リアルタイムで配信しています。10銘柄で構成されるJDR.Indexは毎月組み入れ暗号資産の見直しを行っており、11月の新規組み入れ銘柄は、リップル(同:XRP)とステラ (同:XLM)です。ETHはBTCの1/2ほど、XRPは1/20、XLMに至っては1/100以下の時価総額規模ですが、ここ最近のパフォーマンスがBTCを上回っています。
実際の相対パフォーマンス分析、及び11月2週(11/6~)の注目ポイントをご覧になりたい方はこちら(イーサ、リップルのパフォーマンス分析)からご覧いただけます。
では、暗号資産マーケットに関連する主要な出来事及び相場回顧、翌週の注目点をピックアップします。
(対象期間:前週金曜午後~金曜日午前)
<主な出来事、要人発言、事業会社発表など>
10月30日(土)~11月1日(月)
👉自民単独261議席で絶対安定多数、日本株全面高
👉米国では現在、40本以上の暗号通貨連動型上場投資信託(ETF)がSECの承認待ち
👉マイクロストラテジー、前四半期にビットコイン8957枚追加
👉ロシアの暗号資産市場、規制環境の悪さにもかかわらず5000億ドル規模
👉オーストラリア証券規制当局、暗号資産ETPのガイドラインを公表
👉サトシ・ナカモトのビットコインホワイトペーパーが13周年
👉カザフスタン、暗号資産マイニングは最低でも15億ドル経済規模と予想
11月2日(火)
👉イーサリアム(ETH)共同創業者のヴィタリック・ブテリン氏、暗号資産都市設立に前向き
👉米財務省金融当局作業部会、暗号資産への監視規制強化の報告書公表
👉米アマゾンAWS、デジタル資産の専門家を求人
👉米バーガーキングがロビンフッドと提携、顧客に暗号資産を配布
👉南アフリカ年金基金、暗号資産投資を禁止へ
11月3日(水)
👉エルサルバドル、ビットコインで学校を20校建設
👉米CME、マイクロ・イーサ先物を導入
👉マイアミ市長、次の給料はすべてビットコインで受け取る計画
👉米SEC、ヴァルキリーのビットコインETF判断を最終延期(2022年1月7日)
👉オーストラリア最大手の銀行のコモンウェルス銀行、暗号資産売買および保管プラットフォームを提供予定
👉暗号資産「イカ」、開発者の売り抜けでほぼゼロに
11月4日(木)
👉FOMC、11月よりテーパリング開始、12月にはペース加速予定
👉香港規制当局、暗号資産ETFの申請を多数受領
👉米議員ら、BTC現物ETF承認を米SEC委員長に要請
👉米SEC、グレースケールのBTC投資信託のETF変換申請の審査開始、NY証取傘下のArca申請のETPも審査へ
👉中国デジタル人民元口座数、個人1億4,000万、法人で1,000万の口座
11月5日(金)
👉米SEC委員長、暗号資産関連企業への取り締まり強化を再度言及
👉NY新市長、「NYはビットコインの中心地に」、就任後3回分給与はBTCで受け取る意向
👉グーグル、暗号資産デリバティブ商品担当のCMEグループに10億㌦出資
👉米SEC、グレイスケールBTC信託のETF化についてコメント募集(承認期限12/24)
👉インド決済大手Paytmがビットコインサービス検討
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