4月以降の仮想通貨市場の盛り上がりにより、仮想通貨取引所の口座開設数は急増しているようです。
2018年9月にはリップルが急騰したことで、一時的に注目が集まりました。
しかし、今回は主要通貨全てが上昇したことで、これまで仮想通貨に興味がなかった人も重い腰を上げたようです。
これから新規マネーの流入が期待されるところですが、コンセンサス2019というビックイベント通過した後は相場は小康状態となっています。
日本の仮想通貨取引所の口座開設数の推移と、仮想通貨の出来高はどうなっているのか見ていきましょう。
コインチェックでは一時7倍に
仮想通貨の価格が上昇すればするほど、国内の取引所の口座数も伸びているようです。
ロイターの取材によると、コインチェックの4月の1日当たりの平均申し込み数は、3月の約2倍となった模様。5月には申込数がさらに増え、Bakktのビットコイン先物報道でビットコインが90万円に到達した14日には3月の7倍に達したそうです。
またコインテレグラフの取材によると、5月の申し込み数は3月比でDMM Bitcoinが2倍に、BITPointは3倍となったそうです。
数値を公表しているGMOコインは、3月末の口座数は24万5639件、4月末は25万2665件となっており、月間で7000件以上の申し込み数となっています。
5月の口座開設ペースは他の取引所同様に伸びており、問い合わせによると3月比の約3倍の申し込みとなっているとのことでした。GMOコインは、2018年10月に月間口座開設数が1万1360件を記録していますが、この時の数値を大きく上回っているようです。
海外でも口座開設は急増しているようで、米コインベースのアプリがApp storeでトレンドとして掲載されるほど人気となっているようです。
参考:仮想通貨の上昇を受けApp Storeでも関連アプリの人気が急上昇
伸び悩む取引高
口座開設数が急増しているなか、取引高は14日前後にピークを打っている取引所がほとんどです。
また、国内の取引所の取引高は伸び悩んでおり、5月初旬には一時仮想通貨の取引の半数を占めていた日本円の取引高は40%以下に減少(Coinhills調べ)。
国内でビットコインの取引高でトップのLiquidの取引高は、13日には一時24時間で9万BTCを記録したものの、現在では2万BTC以下に沈んでいます。
ビットコインの価格が2倍となっているため、単純に計算することはできませんが、相場が盛り上がっているにも関わらず、波が引くのが早いという印象を受けます。
なお、仮想通貨全体の取引量は5月15日には11兆3700億円まで盛り上がったものの、23日には8兆8800億円まで減少。やはり、コンセンサス2019とBakktの報道で急激に相場が盛り上がったため、その反動がきているのではないでしょうか。
ちなみに、GMOコインの月間売買代金は、3月に1687億円だったものが4月には7960憶円へと5倍近くへと急増しています。
ただ、国内のレバレッジ取引で最大の取引量を誇るbitFlyerのFX取引は、BitMEXの40万BTCに次ぐ34万BTCを記録しており、これはビットコインの全ての取引高の15%にも上ります。
出所:Coinhills
買っておけば誰でも利益が出る相場が終わり、レバレッジ取引で短期売買を繰り返すプロの主戦場となる相場に変化したというところではないでしょうか。
仮想通貨はダイナミックな値動きが魅力であるため、実需には不向きでも、相場は荒れる方が歓迎されるのかもしれません。