2017年時点では、日本は世界の仮想通貨業界のトップを走っていると言われていました。
例えば、世界に先駆けて仮想通貨の法律的な枠組みを決め、2017年4月1日に改正資金決済法が施行されました。
2016年までは仮想通貨の取引量は中国が圧倒的なシェアを占めていましたが、2017年には日本が入れ替わることとなり、日本の個人投資家が市場に与える影響は絶大なものとなりました。
その後は大規模なハッキングに見舞われてしまいましたが、それでも日本のユーザーと取引高は世界でのトップレベルであり、仮想通貨市場において一定の影響力を持つと言われています。
巨大な日本市場を海外の仮想通貨取引所も狙っており、2018年にはHuobiがビットトレードを買収するというかたちで日本進出を果たしました。
先日の記事(海外の仮想通貨業界から見た日本)では、海外取引所が日本へ進出へ意欲的であると指摘されていました。その可能性が高い海外取引所についてまとめました。
コインベース(Coinbase)
アメリカを拠点とする仮想通貨取引所で、未上場であるにも関わらず時価総額が10億ドルを超えているユニコーン企業です。ウォレットの利用者は2000万人を超えており、世界でも影響力の高い取引所の一つとされています。
日本からの利用は制限されており、本人確認の時点で弾かれてしまいます。2018年6月に日本への参入を発表し、支社の設立及びライセンス取得に関する協議を行っているようです。
参考:Coinbase calls Japan's cryptocurrency crackdown 'good for us'
2016年7月時点で、三菱UFJフィナンシャル・グループが傘下の三菱UFJ銀行や三菱UFJキャピタルなどを通じてコインベースに10億円強を出資しており、日本の企業からも信用が高いといえるでしょう。なお、三菱UFJ銀行は、独自の仮想通貨の研究・開発を行っていることから、ブロックチェーン開発でもコインベースとの連携を深める可能性もありそうです。
参考記事では、2019年にライセンスの取得見込みとなっていますが、業界団体へ加盟するなどの動きは今のところ見られません。
ビッサム(Bithumnb)
韓国の大手取引所であり、日本・アメリカへの進出を公言し、日本語対応を行っています。アメリカ進出に対しては、ナスダックかニューヨーク証券取引所のどちらかに上場することを目指しており、弁護士による法的な調整を行っている段階にあります。
日本の仮想通貨市場への進出は19年の2月と言われていたものの、金融庁の審査を通るためのビジネスパートナー探しが難航している状況にあることから、 日本進出はしばらくの間はなさそうです。
また、取り扱い通貨のなかにモネロなどの匿名性の高い通貨が含まれているため、このあたりも日本進出が遅れている原因なのかもしれません。
クラーケン(Kraken)
古参のアメリカの仮想通貨取引所であり、日本だけでなくヨーロッパ進出も目指しているようです。3月14日に親会社であるPayward Asiaが、日本仮想通貨交換業協会の第二種会員となっていることから、日本でのサービス開始の可能性は非常に高いと言えるでしょう。
実は、クラーケンは過去に日本で運営を行っており、マネーパートナーズへの価格情報の提供を行ってもいました。しかし、交換業者の認可は下りることなく2018年6月に日本国内のサービスを終了させています。
しかし、1年経たずして日本へ戻り既に認定団体の会員になっていることから、サービス開始は時間の問題と言えそうです。
こうして海外の仮想通貨取引所の動向を見てみますと、日本の仮想通貨市場はとても魅力がある市場だと言えそうです。
ただ、先に進出を完了させているフォビは4月に金融庁が立ち入り検査が入るなどしており、幸先は好ましくないようです。
いずれにせよ、交換業者が増えることは顧客獲得競争が加速するため、個人投資家にとっては好ましい状況になるでしょう。