海外送金の手順は、いたって簡単です。
たとえば日本にいるAさんが、カナダにいるBさんに送金するとしましょう。
Aさんはまず、国内の仮想通貨取引所の口座にお金を振り込んで、そのお金でビットコインを買います。
そして、そのビットコインをBさんに送る手続きをします。送り先は、カナダの仮想通貨取引所にあるBさんの口座です。手続きは、Aさんの口座がある取引所にインターネットで簡単な指示を出すだけです。
Aさんが送金のアクションを起こすと、カナダのBさんの口座に、瞬時にビットコインが届きます。もしBさんがカナダドルを必要とするなら、口座に届いたビットコインを売り、得られたカナダドルを自分の銀行口座から出金します。これで手続きはすべて完了。Bさんは、Aさんが送金したお金を現地で使うことができます。
もしビットコインではなく、法定通貨を送金するとしたら…?
Aさんは、自分の口座がある銀行にお金を入金。そのお金でカナダドルを買います。ここでまず、1~2%程度の「為替手数料」がかかります。10万円の場合、1%なら1000円、2%なら2000円です。
そして、それをカナダのBさんの銀行口座に送金。銀行にもよりますが、2500~4000円程度の「送金手数料」がかかります。為替手数料と合わせて、5000円前後の手数料がかかるのです。
10万円送るつもりが、9万5000円くらいになってしまいますね。
それが、ビットコインの送金であれば0・1%程度の手数料しかかかりません。10万円相当のビットコインを送る場合、100円程度です。ビットコインを買うために銀行から取引所にお金を振り込む手数料が400円かかるとしても、500円程度で送金できます。
銀行が中央サーバーのセキュリティに莫大な費用をかけているのに対し、ビットコインではセキュリティの費用がかからない(ブロックチェーンはマイニングによりメンテナンスされ、プログラム上で報酬が支払われている)ため、このような手数料の違いが生じるのです。
日本でも、留学している子どもにビットコインを送金する保護者などがいますが、フィリピンではビットコインの海外送金は珍しいことではなくなっているそうです。
国民性なのかもしれませんが、フィリピンの人たちは、お金をまとめて送ると、送っただけ使ってしまう傾向があるようで、海外に出稼ぎに行った母親が家族に生活費を送る際などは、1カ月分をまとめて送ったりせず、数回に分けて送るのが望ましいといいます。1回の送金で3000円かかると、4回に分けて送れば1万2000円になってしまいますが、ビットコインで送れば400円程度で済むのです。
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