11月11日時点でビットコインの価格は160万円前後と、2年半ぶりの高値水準で推移しています。2020年は、NFT (Non-Fungible Token) やUniswapなどのDEX (DeFiの一分野) への注目が高まっており、さらに企業によるビットコインへの投資も進み、仮想通貨(暗号通貨)市場は大きく盛り上がりを見せています。
そんな仮想通貨の取引で、利益をあげるためにはどうすれば良いのでしょうか。
投資に必勝法などはありません。
しかし、ファンダメンタルズを読み解いたり、値動きの特徴を知ることで、“勝率を高めることは可能”ではないでしょうか。
今回は、当サイトに投稿されている記事のなかから、投資初心者の方でもわかりやすく、そしてすぐにでも実践できるようにリスクが低い“比較的”安定した取引手法についていくつか紹介します。
要点を絞って紹介しているため、詳細が気になった場合はリンク先の記事を一読ください。
年に1度だけ売買する
最初は「少しの操作で利益をあげる方法」です。投資で利益をあげるために、デイトレーダーのように毎日売買を行う必要はありません。過去の値動きの特徴を知り、最適化を行えば良いのです。
今から紹介する3つの売買手法が、投資初心者のための“売買のヒント”となれば幸いです。
1万円から可能!少額積立投資
最初に紹介する売買手法は、「仮想通貨の1万円からできる積立投資」です。
仮想通貨は、交換業者によっては500円から積立投資を開始できます。そのため、投資資金が少ない人にはおすすめの投資手法です。
コインチェックでは、「Coincheckつみたて」というサービスも提供されています。
毎月、ビットコインに積立投資を行ったとするとどうなるのか、過去の値動きからパフォーマンスシミュレーションを行いました。
期間:2017年1月1日~2020年4月まで毎月月初(午前9時)
金額:1万円づつ投資を行った場合となります。
判定価格:100万円
※ビットコインの半減期前の価格
総積立金額:28万円
平均価格:約74万円
積立の損益:プラス約55万円
仮想通貨リスク(LSK)のステーキングサービスでコツコツ増やす
コインチェックが提供しているリスクという仮想通貨のステーキングサービスを利用すると、売買を一切必要としません。金利をもらうようなイメージですが、「コインチェックのリスク(LSK)ステーキングサービスとは」で詳しくご紹介しています。
—どんなサービスか
簡単に言えば「リスク(LSK)という仮想通貨を保有することで、そのリスクのネットワークのセキュリティーに貢献したことになり、毎週水曜日にその報酬を受け取ることができる」というものです。
—注意点および向いている人
「リスクを貸し出しも売却もせずに保有しておくだけ」でステーキング報酬を受け取ることができます。一方で、途中売却ができず、1日あたり平均10LSKは保有しておかねばならない(2020年11月5日時点で1LSK≒107円)ため、長期保有を考えている人に向いています。
そして、いくらの報酬が得られるかは支払われるその時までわからないことがデメリットといえます。
まとめ
- 1日平均10LSK保有していれば毎週水曜日にステーキング報酬が手に入る
- ステーキングサービス利用中はそのリスクを売却したり貸与したりできないので融通が利かない
- リスクの長期保有を考えている人に向いている
もっと詳しく読む「コインチェックのリスク(LSK)ステーキングサービスとは」
ビットコインは「春」に買って「夏」に売るほうがいい
ビットコインの月ごとの騰落率をヒントに売買を行うとすると、「ビットコインへの投資は3月に買って6月に売る」と高いパフォーマンスとなることが分かっています。
過去2年間の検証によると、大きな上昇率が確認できます。
- 2019年:43万4532円 → 117万4041円 170.2%の上昇率
- 2020年:58万2404円 → 98万7531円 69.6%の上昇率
※3月16日に買い、6月末日に売却
さらには、偶数月のパフォーマンスは良く、奇数月のパフォーマンスは低いというアノマリーもあるようです。
- 偶数月の勝敗:17勝7敗(勝率70.83%)
- 奇数月の勝敗:9勝14敗1分(勝率37.5%)
詳細な経緯や表は「ビットコインへの投資は春に始めて夏に売れ」をご覧ください。
トレードで利益をあげる際の安定手法
年に1度の取引では、取引機会を逃すことも多いと感じる方も多いでしょう。しかし、トレード回数を増やすことで損失を抱えることは免れません。
その時に、損失を最小限にとどめたり、リスクヘッジを行うことが重要です。市場調査や金融商品の分析を行うことが大事になってくるわけです。
うねり取りで利益をあげる
「うねり取り」とは簡単に言えば、ある程度まとまった資金を用意して、一つの銘柄を両建て(買いと売りの両方のポジションを持つこと)で分割売買することで利益を積み上げていく手法であり、価格下落時に買って上昇時に売るという逆張り戦略で進めていくものです。
建て玉の操作だけで利益をあげるので何か固有の判断材料が必要だったりはしないのですが、その分「トレンドを読む」力が問われるので初心者の方にはだいぶ難しい技術であることは否めません。
しかし、投資に慣れていくほどトレンドを読むようになるものなので、勉強しておいて損はないでしょう。
うねり取りの5つのポイント
- 逆張りで売買
- 両建てで挑む
- 分割売買して建て玉操作
- 単一銘柄に絞る
- 一回の分割売買額を想定した総資金量を用意しておく
▼実際の日足チャートを基準に売買を行った例
もっと詳しく読む「建玉操作で利益を上げる!ビットコインのうねり取りとは?」
先物取引のSQとその日の価格の動きを見て売買
ビットコインにも「先物取引」というものがあります。これは「将来のある日に、今現在決まっているこの価格でこの数量を絶対に 買う/売る と約束してそのチケットを売買する」ものだと思ってください。
例えば、“3カ月後に米5kgを4000円で絶対に買う約束”を今買ったとして、3カ月後に米5kgの市場価格が6000円になっていれば2000円得したことになりますよね。これが先物取引の考え方です。
ビットコインでも先物取引で最も有名なのはシカゴのCMEです。そして、指数先物取引またはオプション取引などを最終的な決済期日で決済するための価格であり、それを向かえる日のことをSQ (Special Quotation) と呼びます。
シカゴのCMEのSQは毎月の最終金曜日となっています。
なぜSQが注目されるのかというと、一般にSQの日に向けて相場は乱高下する傾向がありますが当日を迎えれば相場は軽い値動きになることが多いので、「SQは相場の転換点」として着目されているわけです。
さらに、SQの日は“空売りを行っているポジションが決済される”ため、相場が反転し上昇する可能性が高いと言われています。
もっと詳しく読む「シカゴのCMEビットコイン先物のSQと価格動向」
情報収集の方法には何がある?
投資対象が何であれ投資する際に重要なのが「情報収集」です。
しかし、仮想通貨に関してはどのような情報を注視すればいいのかが初心者の方にはハードルが高いでしょう。
まずは、以下に挙げる3点に注目してみてはいかがでしょうか。
仮想通貨でのチャートの役割と分析方法
投資では主に「ファンダメンタルズ」と「テクニカル」という2つの考え方があり、ファンダメンタルズ分析を行ったうえで方向性を確認し、売買のタイミングや価格をつかむためにテクニカル分析を行うというのが一般的です。
ファンダメンタルズ分析とは、「企業の財務状況や業績をみて、その企業の将来性を考える」分析方法です。
そしてテクニカル分析が、「チャート形状をみてどのような値動きをしそうか考える」分析手法を指します。
▼ファンダメンタルズ分析
日々のニュースやコラムを読んで、売り買いの材料を集めていきましょう。また、後述の(3)に挙げる様々な指標を日々チェクしておくことも重要です。
▼テクニカル分析
仮想通貨のチャートはどういう役割を担っていて、どのような分析手法が行われているのか、ということを端的にまとめた記事が当サイトにあります。
・仮想通貨トレードにおけるチャートの役割
・ビットコインの売買に使えるチャートパターン
覚えておくと良い金融市場の“重要な時間”
仮想通貨市場が成熟していくにつれて、株式・FXの投資家も参入するようになり、それぞれの投資家がよりその他金融商品の取引開始タイミングなどを意識していくようになりました。
そんな金融市場の“時間”について書いた記事がこちらです。
株式市場に関しては、東京・欧州・NY市場のオープン時間を知っておけば、大丈夫です。これにより、いつ仮想通貨市場の売買が活発になりやすいのかある程度分かるようになります。
▼それぞれの市場の開始時間
東京株式市場:午前9時
ヨーロッパ株式市場:夏時間午後4時~(冬時間は午後5時~)
NY株式市場:夏時間午後10時30分~(冬時間は午後11時30分~)
仮想通貨市場の主なプレイヤーは米国ですから、NY市場が開く午後10時~翌日2時頃は取引が活発になる傾向があります。
これらの時間帯を意識することで、株式投資家とFXトレーダーの心理も理解しながら相場を予想することができるようになります。
もっと詳しく読む「覚えておきたい日々の金融市場のイベント時間」
「指標」を知ろう
株式投資やFXには、「この指標がこういう動きをしているということは、こういう値動きをするかもしれない」という予測を立てるための“指標”が存在します。
仮想通貨にもそういった指標が存在することをご存知でしょうか?
▼参考記事
仮想通貨のトレードする上で確認しておきたい指標は、次のようなものがあります。
指標 |
どこで確認できるか |
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24時間あたりの取引代金 | 「みんなの仮想通貨 リアルタイムレート」 |
取引所別取引高 | コインマーケットキャップ |
国別取引高 |
Coinhills 新興国などでの取引量が急増した場合資金逃避の可能性 |
ハッシュレート |
blockchain.com ハッシュレートが大きく下がると価格も下落傾向に |
NVT |
Bitcoin NVT Ratio 値が高いほど、取引量に対するネットワーク価値が高いことを示します |
メトカーフの法則 |
blockchain.com ビットコインでのユーザー数に相当する「取引活動があるアドレス数」が多い方が良い |
アクティブアドレス |
coinmetrics.io 数値が高ければ高いほど盛り上がっていることを表す |
CME先物価格 | SQ日にはビットコインの価格が上昇しやすい傾向 |
※上の表は左右にスクロールできます
「仮想通貨のトレードをするうえで見ておきたい指標」、「ビットコインの価格を探るための様々な指標」にはより詳しく各指標の説明があります。
様々なニュースとこれらの指標を組み合わせることで、ビットコインの価格が割安なのかどうかを分析する手助けとなるでしょう。